ウェットブラスト
サビの修理を行うにあたって、サビ周辺の塗装の剥離、サビの除去が必要となります。
そこでワイヤーブラシやグラインダーを使い削り取るのですが、その場合、周囲の鉄板ごと(要は錆びていない部分ごと)削り取る必要があります。
範囲が小さい場合はいいですが、広範囲ですと周囲の鉄板も薄くなり、また入り組んだところなど器具の形状の問題により除去できない部分が出てきますので、切り取るしかありません。
新品でパネルが販売されている場合はいいですが、第2世代GT-Rのパネルパーツはこれから生産廃止などでなくなっていく傾向ですので、新品なネルがなくなった場合既存のパネルはできる限り残しておきたいです。
そこで当店ではブラストという方法での塗装及び、サビの除去を行うことにしました。
ブラストとは簡単には、研磨剤をエアーの圧力で対象物に衝突させて行う加工のことです。
自動車関係では従来よりサンドブラストが活用されてきましたが、問題点も多く当店ではオーテックバージョン 012号車の下回りで使用しましたが、納得のいく効果はえれませんでした。
次に試してみたのが、ウエットブラストでした、字のごとくサンドブラストに水を足したブラストです。
ウエットブラストには様々な特徴がありますが、その中でも水を防錆剤にして行う二次的な処理が可能なことが大きな利点です。
つまり液体(防錆剤を含む液体)に包まれた研磨剤が対象物に衝突し剥離した後、空気に露出した鉄板部分が触れる前に防錆剤にて保護できるのです。
さらに液体が対象物に研磨剤との衝突から起こる摩擦熱を持たせません。これはルーフやフェンダーなどの薄く面の大きなパネルが熱により歪むのを防いでくれます。
また使用できるメディア(研磨剤)がウェットブラストの場合非常に小さなものを使用できるので、対象物に必要以上のダメージを与えません。
パネル部分にされている刻印などドライブラストでは、削れて見えなくなってしまう場合がありますが、ウェットブラストでは綺麗に残ります。
また非常に小さな研磨剤を対象物に当てて行うことにより、表面が均一に荒らされた状態となり、グラインダーや、ブラシ、ペーパーなどで削った状態よりはるかに、上に塗る塗料の食い付きが良くなります。
つまり、対象物に熱を与えず、塗装、サビを除去し、必要以上に切削せず、液体により、露出した部分の防錆処理が同時に行えるということです。
ウェットブラストとドライブラストとの比較表
ドライブラスト | ウェットブラスト | |
---|---|---|
使用粒子サイズ | 下限は50μm程度まで | 数μmの粒子まで使用可能。 |
加工熱 | 粒子と対象物の摩擦による加工熱が発生する。 | 処理中は水が対象物表面を常に冷却し、対象物は熱を持たない。 |
二次的な処理 | できない。 | 液中に防錆剤、脱脂剤などの薬品を混入し、二次的な処理が可能。さらに、削られた表面を瞬時に水膜が覆うため、空気にほぼ触れない。 |
粒子の残留 | 粒子が粒子を打ち込む現象が発生し、埋め込み残留が発生する。 (ボディなどパネルに研磨剤が食い込み残る) |
加工後の粒子を、質量を持った水が洗い流すため、粒子の残留が少ない。 |
ヒンジ下のサビですが、従来での除去方法では、グラインダーなどで、錆びていない鉄板ごと削りとります。
ウェットブラストによる、サビ除去
ボンネットヒンジしたのサビです。理想的にサビのみ除去できます。
このように部分的なサビの除去及び、その周辺の塗装の除去ももちろん可能ですが、ボディ全体の剥離も可能です。
- ルーフの半分のみ剥離した状態です。
このように、ボディへの切削、熱によるダメージを出来る限りすくなく、また塗装の剥離、特に下地にある新車時からの電着塗装を剥離することによる、サビへのリスクを減らし、理想的な、塗装、サビの除去が行えます。
次に剥離したボディに電着塗装を行います。
電着塗装
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第2世代GT-Rも生産されてからもうすぐ30年です。
錆修理や、本気の塗装と銘打って外せるものは全て外した塗装も行ってきました。 -
また下回りもしっかりと塗装できるようにと車体を回転させて塗装も行いました。
車体の塗装とは、メーカーが新車製造時に行う電着塗装の上にボディ色が塗装されています。
従来再塗装を行う場合は、出来る限り新車時の電着塗装を残して行います。そのくらい新車時に行う電着塗装は強く、ゆえに防錆に優れています。
錆びてパネル交換及び、パネルが生産廃止でない場合は鉄板から作り出し再現します。新品パネルは電着塗装されて届きますが、パネル接合部は電着塗装を一旦はがさないと溶接できないため、剥がします。
その為、パネルがなく作り出した部分や、新品パネルの接合部、要は最も錆びやすい部分に電着塗装がない状態です。
もちろん、サーフェサーなど防錆性能の高い塗装や溶剤にで入念に保護しますが、新車より錆びやすいのはあきらかです。
また新車時の電着塗装も30年を迎える個体によっては劣化してきているものもすくなくありません。
そこで先のウェットブラストの導入により理想的な剥離(サビを防ぎ、ボディにダメージの少ない)が当店にて行えるようになりましたので、「本気の塗装」方法のさらに上の方法である「究極の塗装」、電着塗装をもう一度行うことにより、車体をリフレッシュではなく「リセット」「リメイク」することにしました。
まずメーカーが新車製造時に行う電着塗装を簡単に説明しますと、今回施工する塗装は、カチオン電着塗装と呼ばれ現在世界の自動車メーカーにて100%採用されているシステムです。(量産車に限る)
電着塗料の入った大きなタンクに車体をつけて、電流を塗料、車体に流し、化学反応を用いて密着性の高い塗膜を形成します。
またタンク内に漬け込み化学反応により密着させるため、パネルの隙間や入り組んだ袋の中など、スプレーでは塗装できない部分まで塗装できます。
今回、新車を製造している電着塗装ラインに当店の車両を入れていただき、現在製造されている新車と同じ工程にて塗装していただきました。
全13工程ある電着塗装工程を経て、最後には新車と同じく、170℃の焼付窯にて焼き付けました。
こちらも通常焼付塗装と言ってもここまでの温度は出せません。
- ウェットブラストにて総剥離した車両をラインに載せていきます。
- 脱脂槽にてボディに残っている、研磨剤、油分など不純物を取り除きます。
- 化成処理工程にてリン酸亜鉛皮膜を形成し、素材調整をします。
- 各工程の間に純水にて洗浄工程があります。
- 化成処理工程電着塗装を行います。
- 電着塗装完了です。
- 170℃の焼付を行います。
- 電着塗装の完了したボディを引き取り、これから組み付け作業に入ります。
劣化してきている、下地塗装を出来る限り理想的に剥離し、新車ラインにもう一度戻し、再度電着塗装を行うことにより、リフレッシュではなく、車体のリセットができたと思います。
現在生産されていない車両、生産が終了してから数十年経った車両ですが、新車に近い状態で車体を復活させることができます。
当店にてウェットブラストによる、部分、総剥離、また新車製造ラインでの電着塗装承ります、ぜひお問い合わせください。
このメニューに限り、第2世代GT-R以外の車両も剥離、電着塗装が行えますので、ご相談ください。